grayscale photo of wrecked car parked outside

13年程前、交通事故で死にそうになった。(交通事故に至った経緯は言いたい事と関係ないので省く)

深夜2:00頃カーブを曲がりきれずに信号機に突っ込んで、東電のでかい鉄の箱(あれは電気供給以外に何かしてるだろうか?)をぶち壊して車が止まった。時速100kmくらいまで覚えているが、気が付いた時には車はグチャグチャで血だらけになっていた。そして気を失った。

近くにジョナサンがあり、そこから2人女性が来て「大丈夫ですか?」と言われた。

「大丈夫なので救急車呼ばないでください。」と答えた。

「何言ってるんですか!」と怒られてまた気を失ってしまった。

次に覚えているのが「運転手さん運転手さん!」という警察の人。血だらけだったがそのうえ更に注射器で血を抜かれて、また気を失った。

次意識が戻ったのは病院のベッドの上。一通り検査してその日は帰宅した。(経験の無い若い医者で、とりあえず冷やしておけ、と言われた)

翌朝が大変だった。身体中が軋んで今まで経験した事のない痛みが始まった。オレは痛みには強いので、生きてる事は間違いないのでなんとかなる、と思っていた。ところが鏡で顔を見た時、あれっ、どこかがオカシイ、どこがオカシイんだ?、、、目の位置がずれてるぞ、と気づく。右目が上に上がったか、左目が下に落ちたか?一体どっちなんだ?、、、どっちにしろこれはヤバイ、痛みとは別の次元だ。

女房に見せるとゲラゲラ笑われて「福笑いみたい。眉毛を剃って少し上に書いたら?」と言う。

「そういう問題じゃあねーぞ。悪いけど病院連れて行ってくれ。」とお願いした。

結局、、頭蓋骨骨折(今も凹んでいる)、顔面骨折(顔の左側の骨がダメ、今でも人工骨だ)、右の鎖骨骨折、肋骨4本骨折という重傷だった。

しばらくリハビリしたが見るもの全て歪んで見えて(顔面を骨折したせいで)、鎖骨は少しでも動かそうものなら脳天に激痛が走った。

いよいよオレもここまでだな、どうやって生きていこうか?と思ったものだ。

数日後、全身痛んでいたが、レッカー移動された車の手続きに行った。

「よく生きてましたね。」

かろうじて運転席だけがスペース確保されていたので助かったのだ。beetleで良かった。日本車なら多分死んでいた。

会社もクビと言われ、突っ込んだ信号機も修理に1千万円かかるらしい。

事故の瞬間は、人生最大の危機だったが、事故から少し経って、、ここからの人生は貰った命で付録みたいなものだ、ここから先は何があっても全部得した事になる、と考えたオレは徹底的にリハビリした。

鎖骨は医者が驚くほど骨が早く再生したし、視野の歪みは五円玉をヒモで吊るして揺らし、一つになるのを待った。

徐々に回復していった、、2、3ヶ月後だろうか、鉄棒にぶら下がれた時には感動したものだ。

、、そして今は、この事故があって本当に良かったと思っている。(バカで良かった。)

前置きが長くなったが、あの瞬間、血だらけのオレが何を感じたか?

気を失う前、死ぬかもな、と思ったが、、、光に包まれて気持ち良かったのだ。死ぬのもいいな、と感じたのだ。

今は、人は生きている間にたとえ何があったとしても、死ぬ瞬間は、何か人智を超えたモノ(神と呼んでいいのだろうか?)が救ってくれると心から思える。

二度とあんな体験はしたくないが、かけがえのない体験だった事は間違いないし、オレの人生では最も気合いが入った出来事の一つだ。