soldier near concrete pillars holding semi automatic gun with scope

入学当初「こんなところで4年もやれるのか?」と思ったものだ。ラッパで飛び起き、ラッパで寝る生活になかなか慣れず、苦労した。

難解な本やサウナと一緒でまず先に耐える時があり、そこを乗り切った者だけが味わえる充実感がその後用意されている。(難解な本ならだんだん面白くなるし、サウナなら水風呂が待っている)

まさに防大も同じ過程を辿る。

入校時の坊主、基本教練、から始まって主なものだけでもカッター訓練、断郊、校友会活動、陸海空の訓練、等多数ある。そもそも日常がラッパに挟まれた分刻みのスケジュールだ。

しかし4年生になればラッパで飛び起きる事も苦痛でなくなるし、朝礼が終わり部屋に戻れば1年生が朝刊を机上に置いてくれる。終いには「このまま卒業したくねーな。」とさえ思うこともあった。

「学生解散!」帽子が高く舞い上がる卒業式のフィナーレは「これからオレはどこへでもいける」と興奮した。

さすがに最近はあまり無いが、防衛大学校の夢をよく見た。卒業出来ない夢だ。何度かの危機的状況を乗り切って卒業出来たから今があるわけだが、あの4年間ほど強烈な体験はこれから出来そうもないし、また、したくもない。(同期にはグリーンベレーに行ってきたヤツもいるが、、)

これから先は、死ぬ時以外明確な卒業は無い予定だが、もしあったならば、帽子を高く投げれたらいいな、と思う。