
映画は幼稚だったが泣かせた。
幼稚とは言わばストレートの事。裏が無い事だ。直球ど真ん中の言葉が、涙を出させる。感動するのでは無い。ただ、涙だけが出てくる感覚だ。おそらく遠い昔に失った何か純度の高いモノへの回帰が出させる涙だ。
中学生や高校生の軽音楽を聴いた時のような感覚。「何」とは言えないが、昔河原で遊んだ時のような、水面がダイヤモンドのようで、太陽や輝く草がパッケージされたような情景だ。
一点だけ残念なのは、子供相手だからといって、くだらないジョークは要らなかったと思う。オレが見た映画館のその回では、子供が山ほど来ていたが、声に出して笑うヤツはいなかった。おそらく彼等にとって、そんなモノは必要なかったんだな、と感じた。