anonymous man standing behind glass

平野啓一郎の「分人主義」は「空白を満たしなさい」や「私とは何か」で読んでいた。

「ある男」は読んでいないが、「分人主義」をテーマにしている様にも見える。

演出のレベルが高く表情も使わず、気で語る事ができる俳優ばかりだ。

引き込まれてしまった。

人は幾つもの顔を持つ(分人主義)。そのどれもが真実ならば、それを掘り下げる事に果たして意味があるのか?

その人の全てを知ろうとするのは傲慢とも言える。

自分に見せる「顔」を信じて、他の顔もあるだろうな、と思ってもそれをそのままにしておく方が自然では無いだろうか?

その方が幸せではないか?

もう一度じっくり見たいと思った。