
技術に惹かれている。全ては力だと思っていた頃、空手の稽古中に「技術が全て、技術を磨け」と先生に言われて、ソンナモノカナ、と思ったが、いつの間にか技術要素の含まれているモノしか興味が無くなっていた。
空手において技の決まる“一瞬の一瞬”は何より美しく崇高だ。
勿論空手に限らず他の武道、茶道、華道等やスポーツでも同じだと思う。
また、例えば寿司も、握る技術や包丁サバキは見ていて美しいし、洗練された所作から握られる寿司は何よりも美味く感じる。
床屋にしても、無駄の無い動作やハサミ、指の使い方や触れ方等、細かい所が感性に合うとリラックスでき疲れもとれる。
要するに職人技だ。力や動作の機微が最適だと時間が落ち着いて流れるようになる。まさに「神は細部に宿る」だ。
技術とは意識だと思っている。
反復の中で意識を極限まで鍛える事が稽古だし、極まった意識の事を「極意」という。
長い時間が必要だ。
オレも何処かでその境地に至ってみたいと思っているが、今のところそこに至るのは難しそうだ。