最後まで行く

圧倒的な緊張感とスピードで引き込まれた。

焦れば焦るほど、もがけばもがくほど悪い目が出るのは経験済みで、

最悪が加速して、数分前がどんなにマシだったかと思う。

そんな状態を悲壮感なく描いていた。

要するにユーモラスなのだ。

どんな状態になったとしても悲壮感が漂ったらお終いだ。

清濁合わせ飲むタフな男達の映画だった。

彼らの目的はただ一点、生き残る事。

シンプルなので潔い。

美しささえ感じる。

莫大な金を前にしてちょっと立ち止まる工藤も凄みのある静から突然爆発するサイコパスの矢崎も「砂漠のトカゲ」だ。

灼熱の砂の上から出ていく気など毛頭ない。

そこが彼らの居場所だからだ。

無駄なシーンや不要な説明は一切なくテンポのイイ2時間のエンターテイメントを満喫した。