close up of electric lamp against black background

ある外車のメーカー正規販売店でのこと。

半導体不足で新車の割り当てが無く、いつ入ってくるのかもわからない状態ということで現在そこにある中古車を見た。

当然と言えば当然だが外装はピカピカだ。どうしてもその車が欲しかったし、待つことが苦手なオレは”これでも良いかな”と思った。

ひとつひとつキズの確認をしていった。車体の細かいキズについては走ればどうせつくし、”まあいいか”と思えたが、一箇所だけフロントガラスに飛石による少し深めのキズがあった。

「これなんとかなりませんか?」

「どうにもできないですよ、中古車についてはこの状態での販売ですから。」

「えっ、それならKさんは、この状態で買いたいですか?」

「上司に相談してみます。」

それから上司の人が挨拶に来たので、

「Iさん、もしIさんならあの状態で買いますか?」と聞いた。

「そんなにヒドイのか?」と、IさんがKさんに確認すると「結構深いです。」とKさん。

「一度見てきて下さい。」とオレが言っても、見にもいかず「中古車については現状での販売です。」の一点張り。

“せめて見てこいよ”と思う。自分が売る商品を見てもいないのか!ズレてる。残念だ。オレが社長ならクビだ。

オレだったらすぐに見に行って「修理可能です。」とか「走る分には全く問題ない。」とか言うし、可能な限りの代替オプションを提案する。営業ってそういうもんだろう。ましてやこの2年間で紹介した分も含めれば4台目だ。(これも何度も言ったが効果無しだった。)

1矢でダメならすぐに第2、第3の矢を打てるように準備しなければ獲物をしとめる事はできない。カラテだって一撃必倒は無い。

いろいろ聞いてもどこかズレた回答だし、”売る気が無いんだな”と思って別のメーカーにしてしまった。