clear blue shore

学生の頃、遠泳が課題のひとつになっていて、毎日泳いだ。

そのあとも夏になると毎週末海にいた。

「今時海で真剣に泳ぐヤツはいませんよ。」とよく言われたが、ブイロープがなければもっと沖まで行けるのに、と思っていたものだ。

岸がどれだけ混んでいても、沖まで出ると人は極端に少なくなり、やがてオレだけの世界が広がる。

そしてブイの周辺で、浮かんだり沈んだりしながら、輝く海、太陽や雲、遠くのタンカーや貨物船を見るのだ。

「今この瞬間、この海はオレだけのモノだ。」と思える最高の時。

しかしそうしていると直ぐに監視塔からライフセーバーがかけつけてきて

「大丈夫ですか?もう少し岸のほうで泳いでください。」と言われるので、それができるのは2,3回だ。

(その後は監視船が近づいてきて、ヤバイと思ったらすぐに岸に向けて泳ぎだす。)

最近は海で泳ぐことはめっきり減ってしまった。

バイクで海岸線を走り、海水浴場じゃないところほど、「飛び込みてー」といつも思うが、そのあとどうする?と考えると「現実的じゃねーな」と思い直すのだ。(オレもジジイになったもんだ)

いつか学生の時のように、誰もいない冷たい海で遠くの島まで思う存分泳いでみたい、と思って小型船舶の免許もとったがいまだに実現できていない。

いつか思いは叶うのだろうか?