
朝起きて先ずコーヒーを淹れる。
信頼できる厳選された豆を挽き、適量をグラスの中に、木のスプーンで入れる。水を入れた真鍮のタンクを熱するためにZIPPOでタンクの下のアルコールランプに火をつける。
水が熱せられる振動音が響きだし、真鍮の管を通って蒸気水が徐々にグラスのコーヒーと混ざり合う。沸点に達して全ての水がグラスに移るまで、粉と水が回転しながら踊り、コーヒーが醸造される。
タンクは水が無くなっていくに連れて軽くなるので徐々に浮上し、タンクを支えていたランプの蓋が微妙に震えだす。そしてタンクからグラスに全ての水が移った時点でランプの蓋がパタっと閉まり火が消える。
シーソーの原理だ。
しばらくすると、真空効果によりどうしても耐えられなくなったコーヒーがフィルタ構造を持った管を通して逆流し、タンクに戻りコーヒーが完成する。
バランス型のCOFFEE MAKERの一連の動きだ。
セットアップが完了してしまえば全て自動で、その動きを楽しむことができる。
所要時間はコンディションにもよる(コーヒーの逆流スピードがその時々でなんらかの調子により異なるため)が15分前後だ。
大部分の仕事がオンラインでできるようになったので、平日の忙しい朝に豊かな時間が流れる。
オレの仕事環境が維持される限り、そしてCOFFEE MAKERが壊れない限り、恐らくこの朝のroutineは変わらない。