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先日、柔道家の古賀稔彦さんが亡くなられた。53歳という若さだ。

2017年には空手家の黒澤浩樹さんが、54歳という若さで亡くなられた。

どちらも最も尊敬する武道家で、試合を見るのが楽しみだった。

古賀稔彦は一本背負、黒澤浩樹は下段回し蹴りだ。どちらも一撃必倒の技術だ。極限まで突き詰めた肉体鍛錬と精神修養をしても境地に至れるのは才能に恵まれた一握りの人しかいない。オレには想像するしかないが、おそらく技の決まる瞬間は、崇高な何かが自分の中に降りてきたような感覚ではないかと思っている。

自分であって自分でないような、苦痛と自分を超えて、自然と一体になるからこその心地良いような、そんな感覚ではないのか?

スポーツのように筋力、瞬発力、持久力が明暗を分ける競技ならば、若いうちにピークがきて、年を取れば衰えるが、選ばれた一部の武道家は死ぬ前がピークだ。古賀稔彦も黒澤浩樹もその可能性を十分感じさせる武道家だ。

早すぎる死は、残念でたまらない。