photo of black clothes on hangers

先日、某スーツ店にYシャツとネクタイを買いに行った。

いくつか鏡の前で試していると女性店員が近寄ってきて「ネクタイをお探しですか?」と言う。ネクタイを見てるんだからネクタイを探しているのに決まっている、と思いながら「はい、そうです。」と答える。それから暫く近くでオレの様子を伺っているので、何か提案があるのかと思えば、そうでもないらしい。

「これなんかどうですか?」とオレが逆提案する。

「これは入ったばかりの新商品で素材はウールです。」

「ああそうですか、どうですかオレに似合いますか?」

「とても良くお似合いです。」

「これなんかどうですか?」

「それもイイですね。」

「えっ、どっちがイイですか?」

「それはお客さまの好みですので。」

・・・いつもの事だが、、残念だ。じゃあ、あんたは何のためにここにいるの?

オレが社長なら間違いなくクビだ。

人間で裸で街を歩くヤツはいない。つまり必ず何かを着るわけだ。

ファッションはやりがいのある最高の職種だとオレは思っている。その人の個性は大概外見で決まるし、自分が納得できるモノを身につけるのは大きな楽しみのひとつだ。

→(中味なんてじっくり付き合わないとわからん。)

もしオレが社長なら、先ずはファッションの基本を叩き込んで、流行のファッションを追わせる。そして現場ではその人をよく観察して、“仮説をたて提案しながら反応を見て修正しろ”と言うだろう。

今まで腐るほどスーツを買ったが、自分で思ってもみないコーディネートの提案を受けたのは2回だけだ。ジャケットを買った時のパンツとYシャツを買った時のネクタイだ。その時提案してくれたコーディネートセンスに、”なるほど、こうやるのか!“と感動したものだ。

オレも残念な営業にならないようにしたいものだ。